救急事後検証会を開催しました(2017.10.11開催)

2017/10/16

 救急外来の多賀です。
 先日、当院にて事後検証会を開催したので報告したいと思います(^^) 研修医も参加して大きな学びを得ていました!

 今回のテ-マは「重症交通外傷患者2症例をとおしてトラウマバイパスを考える」でした。「トラウマバイパス」とは、受傷機転や症状・バイタルサインから重症が疑われる外傷患者を直近の病院でなく、救命救急センターに直接搬送し、いち早く専門的治療を行うことを目指す概念です。ただし、救命センター搬送までに気道確保が必要な症例では、直近の病院にて気管挿管後、速やかに救命センターに搬送することが患者の救命とその後の社会復帰に有効です。

 参加者は、当院の救急に携わる医師・看護師、K市消防署の救命士・救急隊員、K中央病院救命救急センター医師・当地域にあるもう一つの二次救急病院の医師・看護師など総勢60名で、熱いカンファレンスとなりました。
 キーワードは、高エネルギー外傷・トラウマバイパス。明確になったことは、次のとおりです。

(1)高エネルギー外傷で気道確保が必要な場合は、直近の病院で気管挿管依頼し、同時に救命センターにもキーワードを伝えたファーストコ-ルを。
(2)二次医療機関は、気管挿管後、挿管固定を確実に行い、救急車に同乗し救命センターへ、その場合、時間短縮のため紹介状・検査などはしなくてよい。
(3)高エネルギー外傷患者は、いくら優秀な外科医がいても救命できるわけでなく、多量の輸血がすぐに開始できたり、すぐに手術や塞栓術ができるシステマティックな医療が提供できる提供できる外傷センターに搬送することが必要。

 これらのことを参加者全員で共有し、参加者の頭がすっきり整理され、それぞれの役割が明確となり、今後の活動につながるカンファレンスとなりました。今後もこのような目標や目的が明確なカンファレンスを開催し、当地域の連携を深めることで当地域の救急医療の向上を目指していきたいです。

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